久しぶりにワラーチでトレイルを走った。

まず、不快感がきた。素足に濡れた落ち葉とか、土が絡みつく。
笹が脛をむずがらせる。

山頂にはなかなか着かない。こんなに遠かったかなと思う。

ふと腕を見ると蚊が止まっている。吸われた後だった。

腕の上で、蚊の死骸と自分の血液が混じり合う。

足を見るともう2匹止まっている。吸われている。同じことだった。
まだ着かない。つまらない。
途中、鉄塔の写真を撮る。少し報われた気がした。

頂上に着いたので降る。
なにを考えるでもなく、考える。何を考えたか知覚する前に、次から次へと思考は進む。

唐突に結論だけが献上される。

全てのものに底が見えた気がした。